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企業インタビュー(5):日清食品ホールディングス株式会社

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1948年創業の歴史をもつ日清食品ホールディングス株式会社は、現在、即席めんをはじめとするチルド食品、冷凍食品、菓子、シリアル食品、乳製品、清涼飲料、チルドデザートの製造および販売などを行っています。5回目のインタビューとなる今回は、世界初の即席めん「チキンラーメン」が誕生してから60年を迎えた同社の大口真永広報部部長にインタビューしました。

―― 「チキンラーメン」が開発されてから60年経ちました。老若男女に愛されている貴社の商品ですが、現在の事業内容についてお聞かせください。

8月25日は「チキンラーメン」の誕生日と言いましょうか、ちょうど大阪中央卸売市場で初めて発売された日です。おかげさまで今年60周年を迎えました。この商品がなければ「カップヌードル」も生まれなかったでしょうし「どん兵衛」や「U.F.O.」も存在していなかったと思います。今、即席めんは世界中で1年間に1,000億食ほど食べられていますが、その原点が大阪池田で生まれた弊社の「チキンラーメン」だったのです。

これは発売当初の「チキンラーメン」のパッケージです。全体のデザインは今もそれ程変わりませんが、当時、即席めんが世の中になかった時代ですから、「中はこうなっていますよ」と中身を見せる必要があり、透明な窓が付いたパッケージになっていました。ただ、遮光したほうが保存性に優れるため、即席めんの普及に伴い、パッケージの窓は徐々に小さくなっていき、今では完全になくなっています。

世界初のカップ麺「カップヌードル」は、1971年9月に発売されました。これ以降、即席めんは袋めんからカップめんの時代になったといえます。日本での即席めん市場は現在年間約57億食ですが、その内40億食近くがカップめんです。簡便さがお客さまに支持されています。「カップヌードル」の容器は2008年から地球環境への配慮や品質向上のため、ポリスチレン製から紙製の「ECOカップ」に変更されています。

弊社にはロングセラーブランドが複数あります。そのブランドのひとつは「カップヌードル」で老若男女問わずダントツで売れています。また、1976年に発売された「日清のどん兵衛」ですが、これも40年以上にわたり非常に長くご愛顧いただいています。もうひとつは、同じく1976年発売の「日清焼そばU.F.O.」です。これらロングセラーブランドの市場動向は、お客さまの高齢化に伴い需要が落ちてしまいがちですが、新規の若年層へのアプローチを強化した結果、「カップヌードル」の若年層(高校・大学生)の喫食率は前年同期比108%(自社調べ)と順調に推移しています。若年層をメインターゲットと捉えコマーシャル展開等を行い、おかげさまで若年層の取り込みに成功しつつあるというのが現状です。「どん兵衛」も然りで、前年同期比109%と着実に拡がっていて、3期連続で過去最高売上を更新する見込みです。

「U.F.O.」も前年同期比120%と上昇傾向です。余談にはなりますが、これらロングセラーブランドを中心とするCMが効き、現在食品部門における企業別CM好感度ランキング1位を15ヶ月間続けています。そういった中で今年は「チキンラーメン」60周年の記念イヤーにあたりますので「チキンラーメン」ブランドも過去最高の売り上げを達成したいと頑張っています。

―― 「お椀で食べるチキンラーメン」のような商品が現在のシニア層から支持を受けていますが、シニア向けの商品開発について教えてください。

そもそも袋めんは主婦の方を中心に、カップめんは若い方を中心に、老若男女問わず広い層に支持されています。2018年総務省統計局の発表によると、日本の65歳以上の高齢者数は3,557万人で全人口の28.1%を占めるそうです。シニアの方々が増えているのは事実ですので、国内即席めん市場の深耕のためにシニアに向けた商品もラインナップとして充実させていく考えです。市場全体がシニア向け商品に全て変わっていくということはないですが、シニア層にも、より喜んでいただける商品の開発を進めていきます。

国内販売の拡大にはロングセラーブランドのさらなる進化と特定ターゲットに新価値を提供することが必要と考えています。この特定ターゲットの一つがシニア層の開拓です。「お椀で食べるチキンラーメン」は馴染みがある「チキンラーメン」ブランドを小世帯のシニアをターゲットにお椀で食べるという新コンセプトで販売しています。この商品を出したことによって袋めん市場がかなり活性化しました。市場調査したところ、50 歳以上の消費割合は普通の「チキンラーメン」が46.3%に対して「お椀のチキンラーメン」が56.7%とまさに狙った通りでした。さらに8月13日からは「お椀で食べる出前一丁」もラインナップに加わりました。この「出前一丁」も1968年に登場し50周年になります。「チキンラーメン」と同様にシニア層に向けてアプローチできるのではないかと思っています。

―― 安藤百福(ももふく)創業者は96歳でお亡くなりになられました。まさにアクティブで健康な人生で晩年までゴルフをされるなどお元気だったと記憶しています。元気でいらっしゃった秘訣はなんだったのでしょうか。

創業者は「健康の秘訣は、適度の運動と腹八分目の食事、毎日食べるチキンラーメン」と常に言い、実践していました。ゴルフが好きで、90歳を越えてからも年間に100ラウンド、亡くなる3日前までプレーをしていたほどです。亡くなる前日の1月4日には、仕事始めの「初出式」で立ったまま30分間にわたり社員への訓示を終えて、休む間もなく、取引先との賀詞交換会にも出席し、同じく30分間、壇上から挨拶をしています。昼食会では幹部とともに餅入りの「チキンラーメン」を食べたのですが、その後、「ちょっと風邪気味だから」と早めに帰った翌日、1月5日に亡くなったのです。心筋梗塞でした。好奇心旺盛な創業者でしたから、まだまだやりたいことは多くあったでしょうが、周囲に迷惑をかけることなく旅立つことが出来たのは、思い描いていた理想の形だったのではないでしょうか。

―― 安藤仁子(まさこ)創業者夫人をヒロインのモデルとしたNHK連続テレビ小説「まんぷく」が10月から始まります。

脚本は、テレビドラマ「HERO」やNHKの大河ドラマ「龍馬伝」などを手掛けたヒットメーカーの福田靖さん。そして、演技派として定評のある安藤サクラさんがヒロイン「福子」、長谷川博己さんがヒロインの夫「萬平」を演じます。タイトルの「まんぷく」には、物語のヒロイン「福子」と、実業家の夫「萬平」の夫婦の名前を合わせるとともに、食と幸せのシンボル「満腹」と日本の朝に「福=幸せ」がたくさんあふれるようにとの願いが込められているそうです。

仁子夫人も92歳と御長命でしたが、昨年、夫人を題材とするドラマの制作が決まった時は、我々も夫人に関する十分な資料を持ちあわせていませんでした。まさに脚本家の福田先生と一緒に取材をさせていただくところからのスタートになったわけです。その取材過程で新たな事実が確認出来ましたので、後世に残すために一冊の本・『チキンラーメンの女房 実録・安藤仁子』(中央公論新社)としてまとめて出版することになりました。

―― 現在、貴社が取り組んでいる課題について

ブランドが40年、60年と経ちますと、どうしても陳腐化しがちですので、それをいかに防ぐかがポイントだと考えています。そして、現在我々が目指すのは「100年ブランドカンパニー」です。発売60周年を迎えた「チキンラーメン」ですが、更に40年間ご愛顧いただくには、新しい年齢層の取り込み強化や鮮度感を追求したコマーシャル展開等、色いろと挑戦することが必要です。

例えば「チキンラーメンアクマのキムラー」のように今まで良いこの代名詞だった「チキンラーメン」のキャラクター・ひよこちゃんが突然悪魔になるなどセンセーショナルなCM展開やデジタルマーケティングにより、おかげさまでSNSやネットニュースで大きな話題になっています。このような施策を通じて、ロングセラー商品が新規の若年層にも支持されつつあります。

その一方で即席めんは、創業者が最初に目指した「美味しさ」「保存性」「簡便性」「安全性」「廉価性」の5原則を基本に今も商品が作られています。今後は、これに「栄養」「環境保全」の2つの要素を加えて、商品設計をしていく考えです。お客さまにとって、魅力的な商品をご提供できるよう努めてまいりますので、引き続きご愛顧をお願いいたします。

本日はありがとうございました。

 

2018年9月 (日清食品ホールディングス株式会社大阪本社にて)

大口 真永(おおぐち まさなが)
日清食品ホールディングス株式会社
広報部部長

(敬称略)

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