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企業インタビュー(6):フランスベッド株式会社

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フランスベッド株式会社とフランスベッドメディカルサービス株式会社の株式移転によって2004年に純粋持株会社フランスベッドホールディングス株式会社が設立され、フランスベッドグループとしての一体運営がスタート。6回目となる今回は、フランスベッドグループの中核事業会社であるフランスベッド株式会社顧問を務める竹中正史氏にインタビューしました。

―― 2004年(平成16)に「フランスベッド株式会社」と「フランスベッドメディカルサービス株式会社」が経営統合して現在に至っていますが、現在の事業内容についてお聞かせください。

フランスベッドは創業70年になる日本企業です。同社は戦後まもない頃、スクーターや車のシートを製造しておりました。その後、日本の生活スタイルの欧米化に伴って、一般家庭用マットレスの製造を行うようになりました。二代目社長は将来を見据えたビジョンのもと、来たる高齢化社会に備え、1983年(昭和58年)にフランスベッド販売株式会社の中に、新部門として福祉レンタル事業部を立ち上げました。フランスベッド販売株式会社はその後も販売業を継続し現在に至っています。一方、福祉レンタル事業は1987年(昭和62年)フランスベッドメディカルサービス株式会社となり、全国展開をしてまいりました。2004年にフランスベッド株式会社とともに株式移転によってフランスベッドホールディングス株式会社を設立、2009年にはフランスベッド株式会社とフランスベッドメディカルサービス株式会社が合併し、新フランスベッドが誕生し、今日に至っております。

フランスベッドの主な事業内容は、一般家庭やホテル用のベッドを製造し、デパートや大手家具販売店などへ卸を行うインテリア健康事業、介護福祉用具の製造及びレンタル・販売、病院・施設向け福祉用具の販売、病院・ホテル等のリネンサプライを3本柱にしたメディカルサービス事業です。現在はインテリア健康事業で売上全体の4割、メディカルサービス事業が6割を占めております。

―― 一般的には御社の主力事業は介護を中心とした高齢者市場に力を入れているように思われますが、介護分野以外でアクティブシニアに向けた商品提供やサービスなどがあればお教えください。

日本には現在、65歳以上の方が3,500万人以上いるわけですが、そのなかで実際に介護保険に認定されている方々は約2割弱になります。それ以外の65歳以上の8割の高齢者が健康であり、アクティブシニアと捉えることができます。フランスベッドの社長が日頃話すのは、健常者のなかでも「半健常者」についてです。すなわち何かしら健康上不具合な部分を持っているが、仕事はできる、ゴルフのようなスポーツができる、生活習慣病に関わるような何かしら薬を服用している、身体のどこかで痛みを感じるところがある方々についてです。そのような方々は広い意味でアクティブシニアでもあり、介護の分野に関わる部分もお持ちの「半健常者」であるということです。3,500万人以上の65歳以上の方々だけではなく、もっと若いシニアの方々、特に50歳代の方々のなかでも「半健常者」は多くいるわけです。

商品提供やサービスについては、1つにはアクティブシニアのなかで「半健常者」の方々にターゲットを絞って商品開発を行っています。また現代社会には介護の担い手がいないという問題がありますので、2つめとし、介護する方の労力の軽減に焦点をあてた新商品「自動寝返り支援ベッド」を開発し、販売しています。

―― 貴社の主要部門メディカルサービス部門の中で、新たに「リハテックショップ」を全国に展開されています。「リハテックショップ」の現状と今後の展開を教えてください。

「リハテック」というのは造語で、リハビリテーションテクノロジーの略になります。リハビリテーション(機能訓練)するためのテクノロジー、すなわち技術を駆使した商品になります。これらを扱った店舗(リハテックショップ)が全国には17店舗あり、電動アシスト三輪自転車や電動車椅子なども展示しています。例えば、高齢者の方や何か疾患をお持ちの方が自転車で外出したいと考えた時に、体力面や足腰の強度に不安があると普通の自転車では心配があるかもしれませんが、電動アシスト三輪自転車であれば乗れる可能性があります。また速度制限のある電動4輪車もアクティブシニア向けの商品として商材の中に含んでおります。骨伝導の補聴器等もあり、アクティブシニアに向けて幅広く扱っています。高齢者の方の運転免許証の返還も社会のなかで促されてきておりますが、そのような方々にもご家族の方が店頭だけではなく通販でも電動アシスト三輪自転車や電動車椅子なども入手できるようになってきております。

現在は農村部に会員が多くいらっしゃる農業協同組合員専用のカタログ通販を行っている企業と4年ほど前からタイアップして、電動アシスト三輪自転車や電動車椅子など3型式ぐらいに絞って販売をしています。やはり実際は乗ってみないとわからないということも多いので、ご希望によりお客様宅に商品をお持ちします。試乗していただき、商品を確認してから、ご納得いただいた上で販売というかたちをとっております。これはレンタルや介護保険に関係ない販売ビジネスになります。使用するご本人が実際に見てかつ試乗してから購入するケースになります。購入を希望される方は事前に興味のある商品について調べていらっしゃることが多いのですが、希望した商品がご本人の想像と違い合わない場合もあるので、更に楽に乗れる商品をご用意して持参し、効率よく選んでいただけるようにしています。購入者のなかには山間部やバスも通っていないところにおすまいの方もいらっしゃいます。

 乗り物に限らず補聴器でも「聞こえの相談会」を通して出張補聴をおこなっています。実際にお住まいのご自宅にお伺いし、テレビなどの生活音量に補聴器を合わせられるよう調整したりしています。興味深いのはご使用される本人とご家族では商品の購入について異なるご意見をお持ちのことがよく見られることです。例えば、電動アシスト三輪自転車は本人が欲しいと考えていても家族が危ないと考えて購入してほしくない一方、補聴器はご家族が購入を勧めてもご本人は体裁が悪いので購入を嫌がられたりします。

―― 「リハテック」は75歳以上の元気な高齢者を対象とされているのでしょうか。

リハビリテーションという観点からそのような年齢にターゲットを絞った捉え方をしていますが、もっと若い年齢の人も含まれていると考えます。むしろ半健常状態にいる方々にサービス対象に広げていくことになるのではないでしょうか。介護保険で考えると、75歳以下の方々の認定率はまだ一桁台にとどまっています。そのようなことを鑑みますと本当にリハビリテーションが必要になる前のアクティブな方々への商品も必要なのではないかと考えております。

―― 貴社が考えるアクティブエイジングとは?

アクティブエイジングは元気な方々は勿論のことですが、フランスベッドが考えるアクティブエイジングというのは、慢性的な医学的症状をお持ちの方々が含まれ、そのような半健常者の方々へのアプローチが必要になります。介護保険の有無にかかわらず、お客様に満足していただける商品を開発しご提供することが大切であろうかと考えております。

現在障害をお持ちの方々の多くはもともと五体満足に過ごされていた方々です。そういった方々が何かのきっかけで脳梗塞のような脳血管疾患を持つようになってしまうことがあります。そのような方々が保険適用ではなく、大きな金額を支払ってでもリハビリ関連商品を使いたいということは、元気に仕事や日常生活を送っていたころの元の健康な状態の自分に戻りたいという気持ちをお持ちだからかと思います。40代、50代の方々もできるだけ早く職場また社会に戻りたいと熱心にリハビリテーションに励まれます。また、高齢のため車の免許証の返納によって車が運転できない方々は外出することをためらってしまうかもしれません。そのような時にフランスベッドの商品を使っていただくことで、以前のように外に出て活動することができます。

私たちは元気に楽しく過ごそうと活動する方々のサポートを行っています。そのようなことを通じて人々の生活の質(QOL)を高めることにつながっていきます。日常の生活習慣的行動(ADL)に対する支援は勿論のこと、外出することで身なりに気を遣ったりすることや笑顔になることで気持ちをポジティブに変えていくQOLの改善につながっていくと考えます。

―― 現在、貴社が直面または取り組んでいる課題についてお聞かせください。

既に述べましたが、ロボットであったりAIやIotによる技術革新もありますが、やはり介護の担い手が介護を必要とする現場に十分に供給されていないことが課題の一つになろうかと思われます。介護の現場においては利用者の床ずれによる褥瘡予防などでベッド上での体位変換が必要になってきますが、介護者の身体的負担もあり夜中の労働は大変です。そのようななかで自動に体位変換ができるようなベッド(自動寝返り支援ベッド)の導入で介護職員の離職率の低下にも役立っています。

病院や介護施設において仕事の負担軽減となるベッドを使用していることを謳うことが職員募集にプラスかつレベルの高い職員の雇用につながるようになってきています。介護現場に外国人を受け入れることに対して積極的になってきているようですが、個々の課題が山積するなかすぐに対応できるものではないでしょう。

杖にしても最近は夜の活動が制限されないように夜間の歩行時に足元が安全に照らせるよう杖先にライトが付いているものも販売しております。また、別々に持つ必要がないように傘としても利用できる杖も新たに販売予定です。

その他多くの商品を提供させていただいておりますが、どの商品も全て使う方の気持ちを支えるということと、現在の福祉用具が利用者の方々の身体機能の維持だけではなく、さらには改善させることができればいいのですが、少なくとも維持につなげたいと我々は考えております。加齢に伴う身体機能の低下は否めないのですが、それ以上の低下を進めないようにするためにはフランスベッドの商品を使うことによって利用者がポジティブに考えながら活動できるよう支援したい、またポジティブ思考を維持できるための道具として使っていただきたいと考えております。

例えば、ウォーキング用の杖ですが、若い方々が運動用に使われているのをよく見かけますが、ご高齢の方々も買い物時に使われています。高齢になると下を向いて歩きがちですが、このような杖を使うことで上体を伸ばして姿勢を正すことができるので、酸素の取り込みが良くなります。また、上を向いて歩くことができます。そうすると目線も上を向きますので、見えてくる景色も変わってきて、ポジティブ思考をもたらすことができます。

―― 日本の商品は世界トップクラスの技術を持っていますが、海外展開を含めた事業展開について教えてください。

フランスベッドは10年以上前に韓国で事業展開を試みております。日本社会と似ているとはいえ、福祉用具のレンタルや商品そのものに対する考え方、また規制など異なる点が数多く見うけられました。多くのことを経験し、現在は代理店がレンタル事業を行っております。そのつながりで、インテリア関係の商品の輸出も行っております。

また中国ではフランスベッドホールディングスが8割を出資する製造会社を合弁で設立しております。同社では、医療・介護用のベッドなどを製造して日本に輸出し、商材として病院や施設に販売しております。また、中国国内に福祉用具のレンタルを普及すべく、地元企業へのコンサルや、行政ともつながる仕組みを構築中です。

最近では香港やシンガポール、台湾など東南アジアで介護福祉の分野に対する関心が高まってきております。毎年ドイツで開催される展示会では、諸外国から参加があり、近年は東南アジアのディーラーの方々に商材をご紹介させていただいております。今後の展開を多方面から検討しています。

本日はありがとうございました。

 

2018年10月 (フランスベッド リハテックショップ助たく枚方にて)

竹中 正史(たけなか まさふみ)
フランスベッド株式会社
顧問

(敬称略)

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