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企業インタビュー(8):株式会社SIM

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株式会社SIM(エスアイエム)は、介護スクール「ずっとケアスクール With YOU」の運営を通じて介護職員として働く方や家族介護に関わる方々の長期サポートを行っています。そのなかで、介護分野で働くことに興味のある元気シニアを含む方々が初任者研修資格を費用なしで取得して就労までできる民間版職業訓練モデルを提供しています。

―― 事業内容をおきかせ下さい。

事業所名である「ずっとケアスクールWithYOU」ですが、介護スクールという位置付けで4年ほど運営してまいりました。介護の資格にはいろいろございますが、いわゆる基本となる介護職員初任者研修(旧ヘルパー二級)を主に介護の入り口となるところの人材を養成する資格取得講座を提供しております。

介護スクールということで受講料が主な収益源になるのですが、上位資格である実務者研修の資格であったり、その他いくつか短期間で取得できる資格がございますが、そのような資格をご提示させていただいてスキルアップで上の資格を目指す方もいらっしゃれば、幅広く障害者関連の資格も取られる方もいらっしゃいます。本スクールでは、それぞれのキャリア支援につながるような資格を一通り取得できるよう運営させていただいております。

加えて一番力を入れております就業のサポートですが、我々が個別相談させていただきながら、こちらに頂いている求人の中からご本人の希望に合うものをマッチングさせていただいております。すなわち求人の調整を行いながら出口までお世話をさせていただいております。

―― どのようなビジネスモデルなのかを教えてください。

現在行っているのは、入口となる介護資格取得の費用のハードルをほぼ完全に撤廃し、テキスト代のみ実費3,240円のご負担のみいただいて資格を取得し、就労していただくという取り組みをしております。近年は新聞等のメディアでも取り上げられておりますが、スタートしたばかりでまだ途上の状態です。事業の内容や教えることは国の方で決められていますので他校と変わりはありません。しかし、この事業関連で10年ほど関わっておりますが、それからのお付き合いもあり比較的質の良い講師が揃っていると思っております。このことについては私自身とても満足していますし、受講生へのアンケート結果を見てもとても満足度が高いものになっております。

それから就労支援にとても力を注いでいるところから、できるだけ希望に沿った職に就けるよう調整を行い、一旦介護職に就かれてからもストレスが多い環境のなかでお仕事を続けている方々の悩みをお聴きしたりしながら、スクールとして継続して支援できるよう転職のご相談も含めてお付き合いをさせていただいております。

仕事を中心としたその方の生活全般に至るまでサポートを続けられればという思いを持って運営させていただいております。それが「ずっとケアスクールWithYOU」という名前につながっております。

―― 65歳以上の元気シニアを介護人材候補と捉えられています。その背景をお訊かせください。

介護分野においては、2000年以降介護職員数が増えてきてはいますが、今なお若い人をはじめ人材確保が非常に難しい状態が続いております。関西圏は特に厳しい状態であり、将来はさらに厳しくなることが予想されます。2025年問題も出てくるなか、全国的には介護人材が38万人足りないという数字も出てきております。このような社会問題に対応しなければなりませんが、一歩ずつの取り組みが必要となります。

私たちが特に考えている1つが元気なシニアの介護人材としての活用です。元気シニアは現在4,000万人ぐらいおられ、このなかで就労を希望されているのは約10%です。このなかでさらに10%ぐらいの方に介護に目を向けていただければ、介護人材の不足は解消することになります。この方々をいかに戦力化することができるかが課題になってきますので、そこに力を注ぐことができればと考えております。シニアの介護分野への戦力化は多くの施設で徐々に進んできております。職場の労働負担の軽減、人間関係の改善、組織としての改善化などにつながっているという介護の現場からのお声を多くいただいております。

再就職を考えている方々に介護資格というものを提供して就労につなげていただくというのが私たちの考えです。それが他の様々な社会問題の解決につながっていくのであろうと考えております。これが弊社の「2025年問題解決!超高齢化社会を担う介護人財の輩出・育成」という事業で大阪市のトップランナープロジェクトとして認定されております。

―― 介護の仕事は、必ずしも体力を要する仕事ばかりではないということですが、シニア向きの仕事としてどういう仕事がありますか。また、介護就業を希望するシニアの特徴などあればお訊かせください。

介護業務の中で体力的な問題は実務として無視でません。私たちは純粋な介護職というより介護補助という位置づけで業務を限定してシニアの方々にご活躍していただけるよう啓発を行っております。介護でも体力を要するのはごく一部の業務です。その殆んどはコミュニケーションやちょっとした家事的サポートであったりします。ですので、体力や技術的なことが必要な業務は本来の介護職の専門の方にしていただいて、その周りに付随する業務を中心にシニアの方にサポートしていただければ、介護専門スタッフの方々も本来の業務に専念できるということで、お互いの役割分担のなかで良い意味で相乗効果をもたらしてくると考えています。

そういった役割分担を行っている事業所も徐々に増えてきています。またそのようになるよう、私たちも努力しております。私たちも現場の方々とのコミュニケーションを密に取って関係を深め、ネットワークも拡大しながら、うまくシニアの仕事を活用していただける事業所を増やしていきたいと考えております。これは今後も続けていくべき課題であると捉えております。

―― 介護職を希望するシニアは増えてきているのでしょうか。

介護職全体をみますと、現在、全国で200万人ほどの職員がおられます。そのなかの約2割である40万人ぐらいは60歳以上の職員と言われていますが、女性が中心になっています。シニアの介護職員数をもっと増やしていくことと、介護施設の形態によってシニアの活用が進んでいるところと全くできていないところの差が非常に大きいというのが現状です。ご自宅にお伺いする訪問介護はシニアの女性を中心にかなり戦力化が進んでいます。一方、施設ではシニアの活用が遅れているようです。

―― 元気シニアを対象とした講座もあるのでしょうか。

現在のところはまだそのような状態には至っておりませんので、通常の講座の中にいろいろな年齢の受講生の方がまざっております。今春にはシニアの受講生の方々を中心としたクラス編成を考えております。これは朝の7時くらいから3時間ぐらい学んでいただく早朝のクラスになる予定です。

――事業を行っていく上での課題はありますか?

元気なシニアの方々にいかに周知して就労を希望する潜在的な方々に介護分野に興味を持っていただけるかというのは非常に大きな課題になります。就労先となる受け入れ側のニーズはかなり広がってきていますので、供給側となる労働力の育成を重視していくことになります。現在考えていますのは、地方自治体との連携です。また、関西を中心とする労働組合と連携させていただいて、セカンドキャリア取得のための支援を考えております。とにかくこの介護分野の入口となるところで、自分でも身軽に人のために役立つことができるということに興味をもっていただくことを醸成できればと考えております。

―― 今後の事業展開や抱負を訊かせてください。

私たちのスクールが提供する職業訓練モデルではどの介護スクールでもできるモデルではないかということをよく言われます。収益構造的には、入口である資格取得にかかる費用をゼロにし、出口となる人材紹介というところで育成料を含めて需要側からご負担いただくことで成り立っております。こういった取り組みをしているところは今のところ他のスクールにはありません。収益だけを追求するのであれば、理想的なモデルとは見なされないでしょう。私たちは介護人材不足という大きな社会課題に向けて取り組んでいくことを重視しており、自社の収益が第一というスタンスを取っておりません。

私たちは自分達の取り組みを事業化して適正な収益をある程度得られるというモデルを早く構築したいと願っております。そうなれば、日本全国の同業のスクールにも是非広げていきたいと思っております。

私たちだけで、38万にもなる介護人材不足の問題を解決できるとは考えておりません。いろいろな方々との連携が必要になってきます。そのなかにはもっと規模の大きい同業者のスクールが含まれますが、そういったところに協働していただいて全国的に広がっていくと介護人材不足という大きな社会問題の解決につながっていくと考えております。まず私たちがその先駆けとして大阪から全国にビジネスモデルを構築していけること目指していきたいと考えています。

本日はありがとうございました。

2019年2月(株式会社SIM 「ずっとケアスクール With YOU」 京橋本部にて)


重松 和孝(しげまつ かずたか)
株式会社SIM
ずっとケアスクール With YOU
代表取締役

(敬称略)




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