人生100年時代で退職後の期間が長くなれば、その期間中も継続的に資産を運用しながら効率的に引き出し、最後まで資産を持続させることが求められる。これがデキュムレーションの基本的な考え方だ。しかし日本では包括的な考え方や施策はまだ十分に整理されておらず、経済効果も検証されていない。
米国には、確定拠出年金や個人退職口座など所得税非課税で蓄積した資産は70.5歳を過ぎると、一定額以上引き出さなければペナルティーを科す仕組みがある。英国では引き出し型の金融商品への税制優遇がある。こうした制度を日本でも急ぎ検討する時期に来ているのではないか。
また、デキュムレーションには経済政策としての側面もある。超高齢社会では人口減少と相まって消費減退が懸念されるが、高齢者が安心して資産を使えるなら消費の底上げに直結する。いくら供給サイドで労働生産性を高めても、国内需要が拡大しなければ経済は成長しない。高齢者が将来の生活に対して過度の不安を抱えることなく、・・・

情報源: デキュムレーションの経済効果(十字路):日本経済新聞