病気やケガになった時ではなく、健康になると給付金がもらえる保険があると聞きました。どんな仕組みなのでしょう。
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病気やケガ、要介護になるなど健康上のリスクに備えるのが保険の基本的な目的だが、逆に健康状態が改善するとお金がもらえる保険が次々登場している。
4月、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険は「リンククロス じぶんと家族のお守り」を発売した。主契約は死亡などに備えた収入保障だが、契約後の健康改善で保険料の一部が戻る特約が標準で付く。
まず身長と体重から計るBMI(肥満度)、血圧値、喫煙有無から保険料を4段階に分ける。BMIなどで一定基準を満たす非喫煙者が最低で、同基準に満たない喫煙者が最も高い。
この商品の特徴は、加入後2~5年の間にBMIなどが改善したり、禁煙したりした場合は保険会社へ告知し、健康改善が認められれば以後の保険料が低くなる点。さらに契約日まで遡って、旧保険料と新保険料の差額が戻ってくる。
契約時に月約8千円だった人が契約から3年後に最低保険料になるレベルまで健康改善すると、保険料は同5500円まで低下。新旧保険料の差額9万円(2500円×36カ月)が戻る例がある。1回の告知から1年空ければ再挑戦でき、最大3回チャンスがある。
ひまわり生命は契約者向けに専用のスマートフォンアプリや電話による禁煙サポートなども用意し、「加入が健康改善を促すきっかけになる」と話す。
昨年11月から本格展開を始めた東京海上日動あんしん生命保険の「あるく保険」も健康改善を促す商品だ。主契約は入院給付金などの医療保険だが、1日平均8千歩以上を歩くと加入2年後に保険料の一部が戻る特約が付く。
加入後、専用アプリをダウンロードし、手首に専用端末を着ける。アプリが歩数を自動計測して保険会社がデータを集計するので告知などは必要ない。2年後に歩数基準を満たしていれば還付金が出る。
還付金額は年齢や入院給付金額などで変動するが、「おおむね保険料の1~2カ月分」(同社)という。歩数は半年ごとに達成度合いをみる。2年のうち半年だけ平均8千歩だった人も還付金の4分の1はもらえる。「1度挫折しても再挑戦できる仕組みにした」(同)
17年9月にはアイアル少額短期保険(東京・中央)が要支援・介護認定を受けた人が加入し、介護度が改善すると保険金を払う保険「明日へのちから」を発売した。対象は現在、SOMPOグループ介護施設入居者などに限られるが既に加入実績も出ているという。
病気入院の短期化や死亡率低下が目立つ中、従来型のリスク保障だけでは新規客を獲得しにくいと考える保険会社は多い。今後も健康改善に着眼した商品開発は増えていきそうだ。
[日本経済新聞朝刊2018年4月28日付]

情報源: 健康度アップで保険料が戻る 生命保険に新潮流|マネー研究所|NIKKEI STYLE