夜の時間帯に観劇、観光などのレジャーを楽しむ「ナイトタイムエコノミー」。増え続ける訪日外国人旅行者からは「日本では夜、楽しめるところが少ない」との声が聞かれる。新たな需要や文化創造が期待される半面、深夜労働への対応などがいる。「夜間経済」の潜在力と課題は。
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文化がGDP押し上げ A.T.カーニー 日本法人会長 梅沢高明氏
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◇  ◇都市の競争力 左右 タイムアウト東京代表取締役 伏谷博之氏
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◇  ◇働き方改革とセットで 立命館大教授 筒井淳也氏
日本は「お客様は神様」といわれるだけあって消費者天国だ。サービスが過剰な国なのでナイトタイムエコノミーが広がることは働き手にとってあまりいいことにはならない。サービスの受け手の消費者が優位になりがちで低価格の分野ではそれが激しくなり、働き手にしわ寄せが来る。
欧米では日曜の休業や、閉店時間を厳格に守らせる法律があり、不便さを受け入れる習慣がある。決まった時間以外はサービスや営業をしないことが浸透しているが、日本にはそうした認識がない。
働き方改革の枠でナイトタイムエコノミーを議論をすると長時間労働を無くすことに主眼が置かれる。「夜働くのなら昼間に休み、勤務時間を夜にシフトさせればいい」となる。しかし昼間の働き方ですら、出退勤の時刻を労働者の判断に任せるフレックスタイムは広がっていない。「9時5時職場」が家族や会社にとって好都合だからだ。家では子供の通学前の準備ができ、会社では決まった時刻から会議を始めることができる。
不規則な夜間の労働が加わると家庭生活、特に子供がいる世帯では耐えられなくなる。共働きですら負担が大きくなり面倒見切れなくなる。この議論が深まっていない。
夜の労働市場に入ってくるのは単身者や子育てを終えたシニアだろう。深夜は昼間よりも時間給、賃金割増率が高いから昼間の稼ぎが少ない人が働き始めることがある。兼業せざるを得ないような人では、不利な条件で働くことを強いられる恐れがある。日本では単純労働の移民はいないことになっているが、世界では時間の不規則な仕事は移民で占められていることがある。監視の目が届きにくく、理不尽なしわ寄せもある。・・・

情報源: (複眼)ナイトエコノミーの奥行き:日本経済新聞