昨年あたりから、国内のキャンピングカーショーの出展車両に、欧州製のものが目立って増えてきました。複数のディーラーが輸入車を展示していて、見る角度によってはまるで海外のショーに来ているかのようです。
それもただ「数が増えてきた」という話ではありません。日本の、いわば「ガラパゴス市場」で戦える商品が出てきたのです。

まだまだ続く「デュカトの独壇場」
いまの欧州車人気の背景には、なんといってもフィアット・デュカトの存在があります。欧州でのベース車両といえば、ベンツやフォルクスワーゲン、プジョーなど様々ですが、デュカトが「まさにキャンピングカー向け」といえる新型車を発表してからというもの、欧州市場は新型デュカトに席巻されました。
FFのシャシーは運転席以降の架装に自由度が高く、また、ほぼ同サイズ・同スペックの他車に比べて価格も安く抑えられています。ドイツのデュッセルドルフで開催される世界最大のキャンピングカーショー「キャラバンサロン」でも、デュカトの市場占有率はここ数年、上昇の一途です。当然、日本市場にも4年ほど前から、本格的にデュカトベースの欧州車が入ってくるようになりました。
さて、日本での欧州車人気には、いくつか理由があります。

1.国産ベース車両にフルモデルチェンジがない
日本の交通インフラや余暇事情に合うキャンピングカーといえば、やはり国産車ベースの国産キャンピングカーです。しかし、そのベースになる車両(トヨタのハイエースやカムロード、日産キャラバンなど)には、長らくフルモデルチェンジがありません。ベース車両が大きくモデルチェンジすれば、当然居室部分の設計にも大きく影響します。そのため、各ビルダーとも、新規開発は様子見の状態が続いているのです。
一方、ヨーロッパ市場はデュカトのモデルチェンジを受けて多くのビルダーが切磋琢磨(せっさたくま)し、一部では価格競争もスタート。様々なモデルが魅力的な価格で提供されるようになり、日本にも入って来やすくなったのです。

2.女性にウケる商品
もうここ何年も、日本人の消費動向は「生活寄り」になっています。贅沢(ぜいたく)さ、豪華さよりも「本物志向」や「上質な日常」へ。センスのいいライフスタイルを目指す人が増えました。その点、欧州人のライフスタイルはお手本になるのでしょう。欧州のキャンピングカー市場では女性の発言権が大きいこともあって、インテリアデザイナーに女性を起用するビルダーも珍しくありません。
デザインの魅力に加えて高い走行性能も誇る欧州車ですが、一方で泣きどころもありました。それは「レイアウト」です。
欧州車のキャンピングカーには、コンパクトな車をファミリーで使うという発想がありません。大人2人、子ども2人の合計4人で使うとなると、全長7m超は当たり前。日本のユーザーのボリュームゾーンは、ファミリー層とシニアカップルですから、家族みんなで出かけたい人にとっては「大きさの割に就寝定員が少ない」ことは欠点になります。ところがその「レイアウト」の弱点をクリアした商品が、いよいよ出てきたのです。・・・

情報源: 欧州の流行が変化して「日本車化」? 新たな流れを読み解く – 朝日新聞デジタル&M