東京都交通局は今秋、車両後方の段差を減らしたバス「フルフラットバス」を導入する。
約11億円で29台を購入し、年内には運行を開始する方針。フルフラットバスは車両後方への移動がしやすいため前方に乗客が集中することを緩和でき、乗客が段差で転倒することも防げる。同局の担当者は「高齢者をはじめ、誰もが利用しやすいように公共交通機関のバリアフリー化を進めたい」と話している。
同局によると、国内でフルフラットバスを路線バスとして導入するのは初めて。現在の都営の路線バス約1500台は全て、床を低くして乗降口の階段がない「ノンステップバス」だ。
ノンステップバスは、車両後方の床下にエンジンや変速機などが収められているため、段差ができる。これによって、乗客が段差でつまずくなどして転倒するおそれがあり、昨年8月には港区で、70歳代の女性が車両後方の段差を上ろうとした際にバスの揺れでバランスを崩して転倒し、腰の骨を折る事故が起きている。また、乗客は床面が平らな車両前方に集まり、後方にスペースがあるにもかかわらず、前方が混雑しやすくなる。
導入するフルフラットバスは、エンジンなどをバス最後部に集約する構造。現在の路線バスの座席数(20~30席)や定員数(65~80人)とは、おおむね変わらない予定だ。どの路線に配備されるかは、まだ決まっていない。
ノンステップバス1台あたりの購入費用約2500万円に対し、フルフラットバスは1台約3700万円で、1000万円以上高くなる。都交通局は導入後、走行性能や乗客からの意見などを検証し、フルフラットバスを増やすかどうかを検討する。
同局車両課の保泉正雄課長は「都が先陣を切って導入することでフルフラットバスが普及し、将来は車両の価格が今よりも安くなってくれれば」と話している。

情報源: 都バス「ノンステップ」から「フルフラット」へ : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)