◇鳥大教授・農産物直売所で研究 
◇値段や品目 200万件超
農産物直売所「地場産プラザわったいな」(鳥取市賀露町西)で、客が購入した商品の値段や品目などを記録した200万件以上の「ビッグデータ」を、新商品の開発や販売促進につなげる研究に鳥取大農学部の松田敏信教授(51)(農業経済学)=写真=が取り組んでいる。ジャムや総菜の新規商品に需要が見込めることなどが分かったといい、松田教授は「さらに詳細な分析を進めたい」と意気込む。(滝口憲洋)
わったいなのレジでは、商品のバーコードから販売日や単価などのデータを読み取り、販売時点情報管理システム(POS)に記録している。売り上げの管理や商品の補充に使ってきたが、売れ行きの傾向などを分析したことはなく、店長の駒井幸恵さん(56)は「データを活用したくてもノウハウがなかった。研究で生かしてもらえるのはありがたい」と歓迎する。
研究は、わったいなと県、鳥取大の連携事業で、昨年度から始めた。直売所がオープンした2011年度から17年度のPOSデータ計213万件や利用会員の情報、天候、近くの鳥取空港利用者や鳥取砂丘訪問客の人数などを分析。売り上げと他の要素との関連を調べた。
パン、総菜、ジャムなどは、単価と販売数の相関を調査。天候などの偶発的な要因を除外し、価格が10%上昇したと仮定して推計すると、パンは販売数が10・43%も減少したが、ジャムは3・86%、弁当を含む総菜は0・19%しか下落しなかった。価格が上がっても販売数への影響が小さいことが読み取れるといい、松田教授は「ジャムや総菜は、質のいい商品なら単価が高くても消費者は購買意欲を失わない。新たな商品展開の余地がある」とみる。
こうした分析から、県の仲介で新商品開発の動きが生まれており、生産者からは「ジャムに希少糖を使ってはどうか」といったアイデアが出ているという。駒井さんも「総菜は高齢者や共働き世帯の需要が高い。付加価値の高いプレミアムな商品を売り出せば、商機があるかも」と期待する。
データが価格設定に役立った例もある。「総菜の主な購買層は60歳代以上の女性。単価は100~400円」という分析をもとに、直売所では昨年秋、「サバこうじ漬け」の価格を1パック350円に決定。順調に売り上げを伸ばしている。
特定の購買層に的を絞った販売促進などにもデータを活用できるといい、松田教授は「売り場の勘でやっていたような経済活動も、データによる裏付けができる。効果的な販売戦略につなげられれば」と話す。・・・

情報源: <NEWS EYE>データ分析 販促活用 : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)