パナソニックは2018年6月13日、部門横断で人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoT、ビッグデータなどを活用した新事業の実用化に取り組むビジネスイノベーション本部 事業開発センターの事業説明会を開催した。同センターで現在取り組んでいる3事業の合計で、2025年に売上高500億円を目指す意向を表明した。
同社は4つの社内カンパニーのほか、各カンパニーの担当を横断する領域や既存事業に含まれない領域について、ビジネスイノベーション本部を含む「イノベーション推進部門」で研究開発や実用化に取り組んでいる。2018年4月に新設した事業開発センターは、イノベーション推進部門で研究開発されている多数の技術のうち、実用化に比較的近かったり、既に一部実用化していたりして今後有望と同社が考えるものを担当する。
事業開発センターが現在扱っている技術は、Webカメラと手のひらサイズのエッジコンピューターで映像を解析し、来客データなどのメタデータを活用する「PaN/Vieureka」、介護施設の居室などに装着したドップラーセンサーにより高齢者の体調や行動を見守る「スマートエイジングケア」、1枚当たりの容量が300GBの光ディスクを使い100年間といった長期にわたりデータを保管する「コールドデータセンターサービス」の3事業。
PaN/Vieurekaは、店頭などに設置したカメラで来店者を撮影し、エッジコンピューターで性別・年代や笑顔か否かなどのメタデータを取り出せる。プライバシーに配慮しながら来店者の客層分析などで実用化しているが、この用途拡大を進める。具体的には、遊園地での記念撮影サービスと組み合わせ笑顔の写真だけを残すといったサービスや、観光地に訪れた人の客層を分析するサービスなどを2019年以降に実用化する。
スマートエイジングケアでは、介護施設の居室のエアコンとドップラーセンサーを組み合わせ、室温や入居者の体調、睡眠状態などを解析し、異常があれば施設のスタッフに通知するサービスを実用化している。これを拡張し、在宅介護のサポートシステムとして実用化したり、介護記録やナースコールの履歴などと組み合わせたシステム・パッケージとして展開したりする。コールドデータセンターサービスでは、自社開発の光ディスクを活用したデータのアーカイブサービスを展開する。
事業開発センターの島田伊三男所長は「パナソニックが得意とするデジタル映像技術や暮らしの中の情報活用、最先端のセンシング技術、AI技術などについて、バラバラに事業化を考えるのでなく組み合わせることで活用ソリューションを広げていくことが事業開発センターを立ち上げた狙い。従来は3事業合計で2025年に200億円を目標としていたが、これを500億円に引き上げた」と、新技術を組み合わせたサービスにより事業拡大を目指す姿勢を強調した。

情報源: パナソニック、AI・IoTで新組織 3技術融合で事業拡大:日本経済新聞