「世界一周、99万円 ピースボート」
居酒屋などでよく世界一周を誘うポスターを見かけるだろう。そもそもピースボートが何かと調べてみると、1983年に早稲田大学の学生だった辻元清美ら数人の学生を中心に設立された国際交流NGO。1990年に世界一周クルーズをはじめ、現在は3カ月で世界の約20カ国を訪れる世界一周旅行を年に3回実施しているという。
公式サイトによると、〈船旅を通じて、国と国との利害関係とはちがった草の根のつながりを創り、地球市民の一人として、平和の文化を築いていく〉のが旅の目的。平和を意識しているせいか、寄港地でのオプショナルツアーには、風光明媚な観光地に交じって、「カンボジア地雷問題検証ツアー」「アウシュビッツ強制収容所ツアー」なども。参加者は問題意識の高い人ばかり?
「そうでもありません。参加して初めてそうしたツアーがあると知る人も多い。ほとんどが『安く世界一周ができる』から申し込まれているんじゃないでしょうか」(主催旅行社ジャパングレイスの広報担当者)

■乗客の6割が60代
確かに「99万円」は安いが、30歳未満限定の優待価格。30歳以上は、4人相部屋で120万~130万円が基本料金で、最高値のシングルは300万円前後。それでも、最安値で400万円は下らない豪華客船「飛鳥Ⅱ」に比べたら安い(乗船前にポスター張りをすれば料金が割引になるプランもある)。豪華な客室やショー、ぜいたくな食事はない分、ドレスコードもなく、1人で申し込みOK。言葉も日本語だから、気軽さは一番だろう。
船内でさまざまな講座や語学プログラム、乗客自らが主催する「自主企画」などが行われるのも特徴。参加は自由で、むしろ航海中寝て過ごしてもいい。
気になるのが乗客の年齢層。優待料金があるだけに若者が多いかと思いきや、「60代以上が6割。20~30代は3割弱。残り1割強は40~50代や10代以下」(担当者)というから、約7割が中高年以上だ。
船上見学会に参加した40代後半の女性が言う。
「海外旅行にはたくさん行きましたが、船で大陸を巡った経験はありません。もし実現できたら、まさに冒険。長年勤めた出版社を辞めた今じゃないとできないと思って参加しました」
参加者の中には、日食を追い掛けるのが趣味の老夫婦や、定年退職記念のサラリーマンもいたそうだ。
100日間のほとんどが洋上。第二の人生の身の振り方を考えるには、もってこいか。

情報源: 居酒屋でよく見かける「ピースボート」って誰が乗ってるの|日刊ゲンダイDIGITAL