人生100年といわれる今、病気・ケガなど健康リスクへの備え方も大きく変わってきている。前回の「医療保険の加入 まず健保と高額療養費制度の中身点検」に引き続き、2回目は、医療保険選びにおいてカギとなるコストパフォーマンス指標の「BPR」や「180日ルール」など、商品比較の新基準をプロが解説する。基本を押さえ、自分に合った商品を選ぼう。
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医療技術の進化、治療方針の改定や医療費削減の流れをくみ、医療現場で早期退院を推奨されるケースが増えている。
しかし人生100年時代の医療保険選びでは、「長期入院・長期治療への十分な備えが重要」と、医療保険に詳しいファイナンシャルプランナー(FP)の塚原哲さんは指摘する。「もしもの事態に手元資金では足りないリスクに備える、これが保険の本質。日帰り入院でも給付金が出るといったことより、長期戦となった際の入院・治療費に備えられる保険選びが、シニア世代では重要となる」。老後は病気やケガのリスクが高まる。そこにしっかり備えたいなら、長期の入院・治療にかかるお金をしっかりカバーできる内容の、終身タイプの保険を選ぶべきと塚原さん。「1入院当たりの給付限度日数は120日型以上のものがいい」と助言する。
もう1点、押さえたいのが「180日ルール」。ある病気で入院し、治癒して退院した後、再び同じ病気で入院した時、「退院からの間隔が180日以内の再入院は、最初の入院日数と合算して1回の入院と見なす」というもの。再入院しても、最初の入院と異なる傷病なら180日ルールを適用しないのが医療保険の通例だ。
しかし、「ライフネット生命保険の終身医療保険『新じぶんへの保険』やメディケア生命保険の『メディフィットA』など、違う病気でも180日ルールを適用する、制限の厳しい商品がある」と塚原さん。加入を検討している医療保険があれば必ず確認しておこう。
もう一つ、医療保険選びで意識しておきたいのが、保険料のコストパフォーマンス(コスパ)。実質的な「お得度」だ。
「BPRという、長期入院の際に、一生で支払うであろう保険料の何%を取り戻せるかを試算する指標は、約款が複雑な保険の比較に最適」と塚原さん。「欧米保険業界で一般的に使われている指標だが、試算も決して難しくない」と話す。
1入院の給付日数に入院給付金日額を掛け「入院日額給付最大額」を出す。次に加入予定の人の年齢の保険料に、終身払いの場合は平均余命を掛け「総払込保険料」を算出。前者を後者で割り100を掛けてBPRを出す。なお、60歳払い込みの場合は60歳までの保険料を「総払込保険料」とする。入院給付日数120日の保険の場合、「BPRは50%以上を目安に選ぶといい」(塚原さん)。
客観的なチェックが終わったら、目的や特約内容など、自分が抱えるリスクや気になる特約の有無で最終的な選択をしよう。

情報源: 100年人生の医療保険 180日ルールとコスパを確認|マネー研究所|NIKKEI STYLE