コラム凡語:老人の日 9月15日は「老人の日」。国民の祝日「敬老の日」が9月の第3月曜に移って15年がたつが、いまだ「15日は敬老の日」の印象が強い
▼1947年のこの日、兵庫県野間谷村(現多可町)で55歳以上を対象に、村主催の敬老会が開催されたのが始まりとされる。戦後の混乱期、老人の知恵を借りて村を発展させようと企画された
▼現在ならまだ働き盛りの年齢が「老人」扱いなのに驚かされる。その後、「としよりの日」として全国的な祝日化運動につながり、63年の老人福祉法公布で「老人の日」に、66年から2002年まで祝日の「敬老の日」となった
▼少子高齢社会が進行し、高齢者とされる年齢も、その位置づけも変わってきた。今では65歳から70歳へ雇用継続義務付け年齢の見直しも検討される
▼江戸初期に俳諧を文芸として確立した松永貞徳は、40代半ばから俳諧に力を注ぎ、還暦を目前にして初めての句会を京都で開いた。「人間50年」ともうたわれた時代、63歳の時に自身の年齢を1歳と数え直し、後の20年ほどを子どものような姿で過ごしたとされる
▼俳人坪内稔典さんは「人生を2度生きた人」と長寿社会の生き方も重ね見る。<敬老日の腰紐(こしひも)しかと結びけり>。96歳で亡くなった鈴木真砂女さんの句のように、力強く生きるすべを探りたい。

情報源: コラム凡語:老人の日 – 京都新聞