老後生活の収入の柱の一つである公的年金。本来、もらえるはずの年金をもらっていないという人が意外にいるという。多いのは年金についての知識不足だ。年金は申請しないともらえない。もらい忘れがちなケースをまとめてみた。
東京都在住の専業主婦Aさん(60)は昨年秋、日本年金機構から来た書類に戸惑った。同封されていたのは「年金の請求手続きのご案内」と年金を受け取るための申請書類(年金請求書)。「年金がもらえるのは65歳からと思いしばらく放置した」
Aさんが受け取ったのは、「特別支給の老齢厚生年金」についての案内だ。60歳以上で一定の条件を満たした人が受け取れる。2016年度末の受給権者は約450万人。男性は1961年4月1日以前、女性は1966年4月1日以前の生まれで、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たし、厚生年金の被保険者期間が1年以上あることが条件だ。
Aさんは結婚前に10年近く会社勤めの経験があり、条件をクリアしていた。「会社員の弟に指摘され、慌てて手続きをした」とAさん。
この特別支給の老齢厚生年金を請求しない人が少なくない。理由の一つは、65歳からもらえる本来の年金(老齢年金)の繰り上げ受給と混同するからだ。社会保険労務士の森本幸人氏は「65歳より前に特別支給の年金をもらうと、年金が満額から減らされると思い込んでいる人がいた」と話す。
65歳から受給できる老齢年金は、請求すれば受取開始時期を最大5年繰り上げることができる。ただし、年金額は最大30%減額され、それが一生続くので長寿時代には不利とされる。特別支給の年金はこの繰り上げとは関係ない。
請求しないもう一つの理由は、働いて給料を得ている間は年金はもらえないと思い込んでいる人がいることだ。
60歳で定年を迎えても雇用延長で働き続ける人は多い。月給(ボーナスを12で割った額を含む)と毎月の年金額(特別支給の年金)の合計が28万円以下なら年金は全額もらえるが、28万円を上回ると、超えた額に応じて年金がカットされる。もらえる年金額が月数千円とあまり多くないと、手続きするのが面倒で放置してしまう人もいるようだ。・・・

情報源: 特別支給、加給… 年金、もらい忘れてませんか?|マネー研究所|NIKKEI STYLE