国内外の高齢者が演劇を披露し合う舞台芸術イベント「世界ゴールド祭」(県など主催)が22日~10月8日、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市中央区)などで初めて開かれる。屋外劇や数百人規模の群衆劇が上演され、海外の3団体も参加する。主催者は「高齢者ならではの美しい表現を楽しんで」と呼びかけている。
同劇場は2006年、芸術監督・蜷川幸雄さんの発案で、高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」(団員約50人)を発足させた。人生経験を踏まえた舞台が評価され、海外でも上演してきた。英国などの劇団と相互訪問を重ね、「高齢者劇団が交流を深め、高齢化という各国共通の課題を考えるイベントを開きたい」と呼びかけてゴールド祭の実現に至った。
今回披露される屋外劇「BED」は、英国の演出家デービッド・スレイターさん(65)の作品。高齢者がベッドに横になり、通行人に向けて演技をする。29日はJR与野本町駅西口から同劇場にかけて、30日はJR大宮駅東口の大宮銀座通り商店街一帯にそれぞれベッド3台を置き、ゴールド・シアターの団員が演じる。
スレイターさんは「お年寄りを公共空間に出し、存在に気づいてもらおうと考えた。日本初演なので、孤独死、震災などの場面を盛り込んだ」と見所を語る。
海外から招待する3団体のうち、シンガポールの高齢者劇団「グロウワーズ・ドラマ・グループ」は、「カンポン・チュンプダ(チュンプダの村)」を10月4~6日に上演。高層団地ヘの移住を余儀なくされた高齢者の悩みを表現する。
9月29日~10月8日(1、2両日除く)には、群衆劇「病は気から」が上演される。ゴールド・シアターの発展形として昨年誕生した60歳以上の芸術クラブ「ゴールド・アーツ・クラブ」の738人が出演する。
同劇場のディレクター・請川幸子さんは「海外の劇団から学ぶところは多い。スローモーションだが、若い人たちにはない高齢者の表現を味わってほしい」と呼びかけている。

情報源: 高齢者演劇「世界ゴールド祭」…22日から : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)