楽しく元気に過ごす秘訣(ひけつ)はマージャンです--。大分市森の久保山団地の民家で、地域の高齢者によるマージャンの集いが12年にわたり続いている。団地の高齢化で住民間のつながりが薄くなる中、地域の貴重な「社交場」として定着。マージャン以外でも互いに見守りをするなど助け合う絆が生まれている。
「ロン!」。小気味いい掛け声と同時に並べられたマージャン牌(ぱい)が倒され、「やられた!」と笑い声が室内に響いた。すぐに複雑な役(やく)の計算が始まり、点数がはじき出される。
団地内の一角にある伊藤節子さん(85)宅で開催される週5日のマージャンの集い。近所に住む70~97歳の男女が木曜と土曜を除いて集まり、午前9時から昼食を挟んで午後3時ごろまでマージャン卓を囲みながら勝負に一喜一憂している。
参加者はいずれも子供の多くが独立して家を出て、ほとんどが夫婦2人暮らしや1人暮らしをしている。「地域に活気がなくなり、さみしくなってしまった。なんとか楽しいことができないか」。そう思った伊藤さんが2006年夏、得意だったマージャンを通じた“集い”を始めようと、公民館で一緒に体操をしていた仲間9人でスタート。途中で亡くなった仲間もいるが、うわさを聞きつけて新しく参加する人もいて今では15人に増えた。
多くがマージャン初心者で、当初はルールを覚えるので精いっぱいだったが、今では全員が巧みな牌さばきを見せる。決まりは(1)賭けない(2)禁煙(3)禁酒--の三つだけ。日替わりでメンバーを代えながら一緒に卓を囲み、「ビギナー組」の日もあれば、マージャン歴半世紀以上の「ベテラン組」の日もある。
昼食は原則として各自持参しているが、伊藤さんが得意の料理を振る舞うことも。互いに弁当のレシピを交換したり、それぞれが登山や囲碁など趣味の話題を次々に持ち出しては話に花を咲かせている。毎週参加する近くの70代女性は「伊藤さんは地域のリーダー的な存在。話題も豊富で時事問題から健康に役立つ話までいろいろな話をしてくれる」。「ベテラン組」の泉トシ子さん(97)は「私も伊藤さんも1人暮らし。こうやって集まれる場は貴重」と話す。
「マージャンの集いは地域づくりのきっかけの一つ」という伊藤さん。仲間で近所の清掃活動をしたり、お互いの「見守り」をしたりするなど絆を深めている。「高齢者の居場所作りでもあるけど、ここで知り合って地域でつながりを作るのが大事。困りごとがあったら助け合う『ご近所さん』の関係が築けています」と笑顔を見せた。

情報源: 大分:響く「ロン!」 元気の秘訣は麻雀 高齢者社交場 – 毎日新聞