ゲームの腕を競う「eスポーツ」が茨城県内でも盛り上がりを見せている。県は来年の茨城国体で、文化プログラムとして都道府県対抗の選手権を開催予定で、大井川知事は「eスポーツ元年とも言える年。茨城が聖地となるよう盛り上げていきたい」と語る。地域の活性化に活用しようとする動きも各地で始まっている。
「さあ、キーパーとの1対1。決めた!」「シュート! わずかに枠の上!」
つくば市で9月15日に行われたサッカーゲーム「ウイニングイレブン」のeスポーツ大会。来年の選手権の「プレ大会」との位置付けで、約140人の選手が参加し、会場では大型スクリーンにゲーム画面が映され、実況や解説も行われる中、ゴールや絶妙なパスに客席が沸いた。
その2週間前、アジア競技大会(ジャカルタ)では、公開競技として初採用されたeスポーツで、日本代表は金メダルを獲得した。
こうしたeスポーツの盛り上がりを、まちづくりに活用しようという取り組みが各地で広まっている。
下妻市では、地元商工会議所のメンバーが中心となって今年4月、屋根付きの広場「Waiwaiドームしもつま」を拠点に、ゲーム大会やプレーヤーの交流会を開催する実行委員会を発足させた。委員長の内山学さん(42)は「世界に通用するプロ選手を育てて、下妻の名前を世界にとどろかせたい」と意気込む。
県南を中心に活動する茨城南青年会議所は、今月28日に守谷駅西口の駅前広場でサッカーや野球などのeスポーツ大会を開催予定だ。会議所メンバーで、障害者の支援団体やブラインドサッカーチームの運営に携わる石和田尚記さん(33)が企画し、「eスポーツは障害者や高齢者など幅広い人たちが楽しめる。競技を通じて交流してほしい」と期待する。
都道府県単位の組織作りも進む。都道府県単位の組織作りも進む。富山県高岡市の堺谷陽平さん(28)は2016年9月に県eスポーツ協会を設立。プレーヤーが交流するバーも営み、週末の交流会や大会の拠点となっている。先月には協会としてプロチームを組織し、国内リーグや海外大会への参戦を目指している。
堺谷さんは「把握しているだけで、全国では約10の地方協会が活動しているか、活動予定だ。地方からボトムアップの流れを作ることがeスポーツの定着に結びつく」と指摘する。
大分県でも16年に協会が発足した。「ゲームはバーチャル(仮想)な世界と思われがち。大会でのリアルな交流が重要で、テレビゲームのある友達の家に集まってわいわいする感覚を大事にしたい」と、会長の西村滉兼さん(39)は話す。
プロライセンスの発行などを行う「日本eスポーツ連合」(東京)も、連合の都道府県組織を正式に発足させるための規約作りを急いでいる。担当者は「競技人口の拡大を図るには、既存のスポーツ団体と同等の組織が必要。茨城国体に間に合うよう組織作りを進めたい」と語る。(大山博之、加藤遼也)

情報源: 「eスポーツ元年」へ進む地域組織作り : スポーツ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)