イオン北海道とマックスバリュ(MV)北海道が2020年3月に合併することを決めた。少子高齢化が急速に進む北海道では、出店余地が乏しくなる一方、シニア顧客の行動範囲が徐々に狭まるため、宅配対応や小型店展開が急務だ。大・中型店に強みを持つイオングループ2社は統合によってノウハウを持ち寄り、特に物流と小商圏対応を強化する必要がある。
10日に統合に向け基本合意書を締結した両社のトップは札幌市内で記者会見した。イオン北の青柳英樹社長は「物流を共有することでコスト削減できる。店舗統廃合と従業員削減は現時点では考えていない」と述べた。MV北の出戸信成社長は「今までは別々に地元の食材を仕入れていたが、共同でやると地域の深掘りができる」と話した。
イオン本体は今回の子会社統合により各地域で(1)物流改革(2)地域密着(3)新業態開発(特に小商圏対応)(4)重複コスト削減――の4点に重点を置くとしている。北海道の2社はもともとイオンが買収した地元密着の企業が中核で(2)の地域密着については従来から得意としている。(4)は粛々と進めるとして、重要なのは(1)と(3)になる。
道内で物流を得意とする小売業はコンビニエンスストアのセコマとコープさっぽろだ。セコマは自社グループで物流網を張り巡らせることで、過疎地でも出店。コープは宅配事業で収益力を高めている。高齢化社会ではコンビニのように顧客の近くに店を構えるか、コープのように消費者の自宅まで商品を届ける物流が不可欠になる。
大型店に強みを持つイオン北海道は2012年から小型スーパーの「まいばすけっと」を展開しているが、コンビニとの競争が激しく思うように店舗数が伸びていない。両社でノウハウを持ち寄りながら、まずは小型店展開とネットスーパーを軌道に乗せることが課題になる。
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イオン北が10日発表した2018年3~8月期の単独決算は、売上高が前年同期比横ばいの916億円、税引き利益が2%減の19億円だった。MV北が同日発表した同年同期の単独決算は、売上高は4%増の647億円、最終損益が1億8700万円の赤字だった。

情報源: イオン北海道とMV北海道合併 物流・小商圏対応が急務:日本経済新聞