◇障害者が調理、配膳 自立と交流後押し
家族のいない昼も、ごはんはみんなで――。入居者の「孤食」を減らそうと、府住宅供給公社がNPO法人と、団地内での食堂運営に乗り出している。調理や配膳を担うのは障害を持つスタッフで、住民同士の交流や、障害者の自立を後押ししたいという。

「食堂に来るつもりで予定を組むと、家事も朝からはかどるのよ」
12日午後、大阪市住吉区の公社管理住宅「OPH杉本町」(71戸)。入居する主婦京田百合子さん(71)は、1階の「杉本町みんな食堂」でインゲンのゴマあえやみそ汁を食べ、笑顔を見せた。
食堂は8月に営業を開始。NPO法人「チュラキューブ」(大阪市中央区)の障害者スタッフ2人が配膳や後片づけ、食器洗いなどを行っている。
京田さんは運送業を営む夫(70)と2人暮らし。夫が日中、仕事で外出するため、昼食は一人で済ませることが多かったといい、「面識のなかったほかの階の人との会話が増え、ここのスタッフの成長を見ることもできるのがうれしい」と話す。
公社によると、入居する49世帯のうち、単身高齢者(65歳以上)は19世帯(6月末)で約4割を占める。食堂は月、水、金曜の正午から午後2時まで営業し、1食450円(税込み)。メニューは、NPO法人のキッチンでスタッフが調理して持ち込んでいる。
チュラキューブの中川悠さん(40)は「調理から配膳、食器洗いまで一貫して行うことで、障害者スタッフの生活力を高めることができる。食堂でのお年寄りとの会話も、自立に向けた訓練になっている」と手応えを語る。
公社では今後、食堂の夜の営業も目指す考えで、人手を確保するため周辺の大学との連携を模索している。住宅経営課の豊嶋洋子さん(30)は「利用者を、さらに増やしていきたい。入居する人たちがスタッフと支え合い、日常生活を楽しむ場になれば」と話している。

◇孤食 政府の食育白書では「1日の全ての食事を1人でとること」と定義されている。農林水産省の調査によると、孤食が多い人は食生活が乱れがちな傾向があったという。家族らと一緒に食事をする頻度が高い人は主食、主菜、副菜をきちんととっている割合も高いといい、農水省は家族だけでなく、地域の人らとの「共食」も推進している。

情報源: 孤食防ぐお昼の食堂 府住宅公社とNPO : 地域 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)