定年までに蓄えた資産をいくらずつ取り崩していけば、不安なく暮らしていけるかに注目が集まっている。一般的には、保有資産額を、自分の「平均余命」で割れば、今後の毎年の取り崩し額の見当がつく。しかし、人生100年時代を迎え、それよりも長生きしたときが心配だという声もある。どんなふうに備えればいいか探ってみた。
「蓄えた資産は毎年、どれくらいのペースで取り崩していってよいものでしょうか」。ファイナンシャルプランナーの岩城みずほ氏は、定年退職を控えた人などからこんな相談を受けると、試算をして診断する。
いまある資産を老後に取り崩すのには誰しも不安を覚える。しかし岩城氏によると「毎年いくらずつ取り崩せるのかを計算することが、老後の生活設計を考えるうえで第一歩になる」。
毎年の取り崩し額は、保有資産額を平均余命で割れば大まかにわかるが、より精緻に計算できる式を岩城氏は用いる。今年60歳で定年退職する男性が2000万円の資産を持つとの前提でみていく(図C)。

■節目ごとに再計算
60歳男性の平均余命は厚生労働省のデータでは約24年(84歳)だが、生存確率でみると、2人に1人はこれより長生きする。そこで計算式では、平均余命よりも長い35年(95歳)を老後期間として想定する。
定年後にかかる生活費は基本的に保有資産から取り崩すと考える。計算式では生活費のレベルを便宜的に、標準的な世帯の年金額(年264万円)くらいと仮定した。一方、60歳定年後に雇用延長などで、年金給付が始まる年齢まで働く人もいる。働いて得る収入は資産の押し上げ要因になる。図のケースでは、65歳まで年収300万円で5年働くとしてその収入を資産に加算し、そこから生活費5年分を差し引いている。
こうして計算した金額を、想定余命の35年で割ると年間の取り崩し可能額がわかる。これに年金収入を加えた額が現状、老後の暮らし向けに確保できている資金となる。図の例で取り崩し可能額は年62万円。年金を加えた年326万円(月約27万円)で生涯暮らしていく、というのが計算から導かれる診断結果だ。・・・

情報源: 老後資金、取り崩しの公式 前半は定率・後半は定額で|マネー研究所|NIKKEI STYLE