認知症高齢者らが事故を起こし賠償を求められた際に神戸市が給付金を支給する救済制度の財源として、市民税の400円引き上げなどを盛り込んだ条例改正案が5日、市会の賛成多数で可決、成立した。改正に向け、市が9、10月に募った市民の意見には396通が寄せられたが、財源を「市民に薄く広く負担」する仕組みについては賛否が分かれていた。
市は今年4月、全国初となる救済制度を創設する「市認知症の人にやさしいまちづくり条例」を施行。自己負担なしの検査で認知症と診断された人が事故を起こした際、賠償責任の有無を問わない見舞金は最大3千万円、責任を負った場合は市が保険料を負担する保険制度から上限2億円まで支給される。
導入に伴い必要な年約3億円の財源を確保するため、制度運用が始まる来年4月以降、現行で1人年間3500円の市民税均等割に400円を上乗せする。
396通の市民意見は内容別に629件に分類でき、うち制度内容については333件あった。「無償で早期受診できるのは有意義」「認知症の家族にとっては安心」など185件が肯定的という。
市民税を上乗せする財源に関しては175件。賛否を示さなかった52件を除き、「400円なら妥当」など56件が理解を示したが、「消費税増税時期(来年10月)と重なる」「若い世代には負担にしか思えない」など67件が否定的だったという。
市は「神戸独自の取り組みのため、必要な費用は将来世代に先送りせず、市民に薄く広く負担をお願いする」と説明。その上で制度の全国化を国に要望していくという。

情報源: 神戸新聞NEXT|総合|神戸市の認知症事故救済制度 市民税400円増に賛否