高齢者の金融リスクにはどのようなものが考えられるでしょうか。「長生きリスク」による資産の枯渇や、物価上昇による資産価値の低下をまねく「インフレリスク」等が考えられます。それらのリスクに加えて今回は「認知機能リスク」を考えてみたいと思います。

政府が策定した「認知症施策推進大綱」では、認知症の「予防」と認知症の人が暮らしやすい社会を目指す「共生」を2本の柱に据えています。我が国の認知症患者数は2018年には500万人を超え、65歳以上の高齢者の7人にひとりが認知症と見込まれています。これはかなり衝撃的な数字に思われます。では認知症により本人や家族等に生じる金融リスクとしてはどのようなことが考えられるでしょうか。

・認知機能や金融リテラシーが低いことで金融詐欺に遭うリスク
・認知症高齢者名義の預貯金や不動産等の管理・処分が困難になるリスク
・パスワードの記憶が困難になり、資産管理が自分でできなくなるリスク
・認知症により相続対策ができなくなるリスク
・適切なアセット・アロケーションができないこと等により運用成績が低下するリスク
(「金融ジェロントロジーの観点で見る地域金融」大和総研より)

主なリスクとして以上のようなことが考えられます。最近では高齢者の資産保全・管理を目的とした商品・サービスも増えてきています。その事例として信託銀行が扱う「後見制度支援信託」や地方信用金庫が扱う「後見制度支援預金」などがあります。

認知症はだれもがなりうるものであり、家族や身近な人が認知症になることなどを含め多くの人にとって身近なものとなっています。元気な間に、家族のために遺言書を残して置くことを考えておいても良いかもしれません。遺言には本人が書く「自筆証書遺言」と本人が言うことを公証人が書く「公正証書遺言」、遺言の内容を秘密にしておける「秘密証書遺言」があります。それぞれの事情に合った形で準備されたら良いでしょう。尚、2020年7月から「自筆証書遺言」は法務局での保管が可能になります。その場合、家裁での検認は不要だそうです。認知症をはじめとした認知機能の低下は、高齢者本人やその家族、社会に大きな影響もたらしますから、認知・判断能力の低下を社会全体で受け止める必要があります。(アンサン)

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